・通常の臥位(寝た状態)での画像
立位撮像機能搭載MRI
MRI scan
MRI scan
症状は強いのに、医者で診てもらったら「たいした圧迫ではない」と説明され、納得できない人も多くいらっしゃると思います。私は常に「現時点での検査技術ではひどい圧迫とは判定されなかっただけです。我々も全てがわかる検査技術を持っているわけではないのですよ」と説明をしてきました。
明らかに腰椎椎間板ヘルニアの症状、あるいは腰部脊柱管狭窄症の症状なのに、MRIの判定では「軽度の変化」でしかない。このようなケースは意外に多いのです。この原因の一つとして、多くの患者さんは立ったり歩いたりするときに痛みが生じて、安静に寝ているときには痛みが軽快します。しかしMRIは寝転んで撮る装置なので、患者さんが「痛くない」時の画像しか撮れないことがあります。レントゲンでも立位(立って撮る)と臥位(寝転んで撮る)では脊柱の並びにずれが生じることは知られており、脊椎の専門医は様々なレントゲンを撮って、それから神経の圧迫を”想像して”診断の材料にしています。
何とか立位でMRIを撮って、このような「かくれヘルニア」や「かくれ狭窄症」を見つけられないものだろうか?それは私の悲願でもありました。
最近になって「立位で撮れるMRI」が開発されました。
※イタリアESAOTE社のG-scan brio*というMRIです。中四国では現在当院にしかありません。私はこの装置で従来のMRIでは見つけられなかった様々な脊椎の病変が診断できると思っています。どうしても現在の診断に納得できないと思われているかたは、一度来院していただければと考えています。
*(Gは重力(gravity)のこと、brioはイタリア語で「新しい」のことです)。
※臥位(寝転んで撮る)のMRIを30分程度の時間で撮った後に、機械を起こして立位あるいは座位の画像を「追加で」取ります。15分ほどの追加の撮影があります。足や腰が痛くてこの時間が我慢できない方は、普通の病院と同じ臥位のみのMRI検査となります。撮影後に立位あるいは座位でMRIを撮れた人は、その画像を臥位で撮影した画像と比較し、診断を行います。
・通常の臥位(寝た状態)での画像
・立位で撮像した画像
・左:臥位で撮ったMRI
・右:立位で撮ったMRI、神経の出口が臥位に比べ、狭くなっているのがわかります。
MRI検査は40分~50分ほどかかりますので、前の患者さんが混み合っていると運が悪ければ当日検査ご希望であれば2-3時間待つこともあります。前もって電話で予約いただければその心配はありませんので、初診の方でMRI検査もご希望であれば、診察予約の時にMRI希望も申し出てください。
MRI検査の費用は、MRIの持っている磁場の大きいものほど高くなるようになっています。当院のMRIは永久磁石を用いた低磁場ですので、比較的安い部類になります。
1回の検査は撮影料・読影料を合わせて自己負担額は3割負担の方なら4790円、1割負担の方なら1600円です。立位MRIを追加撮影しても同じ検査の中なので、追加の料金は発生しません。